家を担保にお金を借りる方法とは?仕組みとリスクを徹底解説

家を担保にお金を借りる方法とは?仕組みとリスクを徹底解説 マネーコラム

持ち家を持っているなら、その資産価値を活かしてお金を借りる方法があります。
不動産担保ローンをはじめ、家を担保にした資金調達の手段は複数あり、目的によって向き不向きがあります。
「住宅ローンが残っていても借りられるのか」「返せなくなったら本当に家を失うのか」という不安を持つ方も多いでしょう。
この記事では、家を担保にお金を借りる仕組みから、審査基準・リスク・注意点まで順番に解説します。

借入を検討している方にとって、正しい知識を持つことが後悔しない選択につながります。
それぞれの方法の違いと、自分に合った選び方を一緒に確認していきましょう。

  1. 家を担保にお金を借りるとはどういうことか?
    1. 担保とは何か?なぜ家が担保として使えるのか?
    2. 抵当権とは?担保設定で何が変わるのか?
    3. 家を担保にする方法は何種類ある?
  2. 不動産担保ローンの仕組みとは?
    1. 不動産担保ローンとはどんなローンか?
    2. 無担保ローン・カードローンとの違いとは?
    3. 資金使途に制限はある?何に使えるのか?
  3. リバースモーゲージの仕組みとは?
    1. リバースモーゲージとはどんな制度か?
    2. 対象者・対象物件はどのように決まるのか?
    3. 不動産担保ローンとの違いはどこにあるのか?
  4. リースバックの仕組みとは?
    1. リースバックとはどんな方法か?
    2. 所有権を手放すとはどういう意味か?
    3. 不動産担保ローン・リバースモーゲージとの比較とは?
  5. 家を担保にするとき、いくら借りられるのか?
    1. 借入可能額はどうやって決まるのか?
    2. 評価額・掛け目・担保余力の計算方法とは?
    3. 住宅ローン残債がある場合の借入可能額はどうなるのか?
  6. 審査基準とはどのようなものか?
    1. 申込者本人に関する審査基準とは?
    2. 担保不動産に関する審査基準とは?
    3. 審査が通りにくいケースとはどのような場合か?
  7. どこで借りられるのか?金融機関の選び方とは?
    1. 銀行・信用金庫で借りる場合の特徴とは?
    2. ノンバンクで借りる場合の特徴とは?
    3. 自分に合った金融機関を選ぶポイントとは?
  8. 申し込みから融資までの流れとは?
    1. 申し込みに必要な書類は何か?
    2. 審査・不動産鑑定の流れはどうなっているのか?
    3. 融資実行まで何日かかるのか?
  9. 家を担保にするメリットとは?
    1. 低金利・高額融資が期待できる理由とは?
    2. 返済期間を長く設定できるメリットとは?
    3. 資金使途が自由である点のメリットとは?
  10. 家を担保にするリスク・デメリットとは?
    1. 返済できなくなったら家はどうなるのか?
    2. 金利・諸費用がかかることのデメリットとは?
    3. 共有名義・相続への影響とはどのようなものか?
  11. 後悔しないために注意すべき点とは?
    1. 無理のない返済計画をどう立てるのか?
    2. 家族への事前共有が必要な理由とは?
    3. 悪質業者を見分けるポイントとは?
  12. FAQ:家を担保にお金を借りるときのよくある疑問
    1. 住宅ローンが残っていても不動産担保ローンは借りられる?
    2. 築年数が古い家でも担保にできる?
    3. 共有名義の家を担保にするにはどうすればいい?
    4. 審査に落ちた場合、他に方法はある?
    5. 不動産担保ローンを借りている間に家を売ることはできる?
  13. まとめ
    1. 参考文献

家を担保にお金を借りるとはどういうことか?

家を担保にするとはどういう状態なのか、まずそこから整理します。
「担保」「抵当権」といった言葉が出てきますが、難しく考える必要はありません。
仕組みを理解しておくだけで、リスクの見え方がはっきりします。

担保とは何か?なぜ家が担保として使えるのか?

担保とは、お金を借りた人が返済できなくなったときに、代わりにお金を回収する手段として確保しておくものです。
人が保証人になる「人的担保」と、物を差し出す「物的担保」の2種類があります。

家・土地はその中でも代表的な物的担保です。
不動産は価値が安定していて、売却すれば現金化できるため、金融機関から見て信頼性の高い担保とみなされます。
これが、持ち家を持っている人が低金利・高額の融資を受けやすい理由です。

抵当権とは?担保設定で何が変わるのか?

家を担保にすると、金融機関は不動産に「抵当権」を設定します。
抵当権とは、万が一返済が滞ったときに、金融機関がその不動産を売却して貸付金を回収できる権利です。

重要な点は、抵当権を設定されても、ローン返済中は引き続き自宅に住み続けられることです。
家の所有権はそのまま手元にあります。
返済が滞った場合にのみ、売却・競売というプロセスに進みます。

家を担保にする方法は何種類ある?

大きく分けると、以下の3種類があります。

  • 不動産担保ローン:家・土地を担保に融資を受けるローン。返済完了後に抵当権が外れる
  • リバースモーゲージ:主にシニア向け。自宅を担保に毎月または一括でお金を受け取り、死亡後に自宅を売却して返済する
  • リースバック:自宅を売却し、そのまま賃借人として住み続ける方法。担保ではなく「売却」に近い

この3つは仕組みが根本的に異なります。
それぞれについて、次のセクションから詳しく解説します。

不動産担保ローンの仕組みとは?

家を担保にお金を借りる方法として、最も一般的なのが不動産担保ローンです。
幅広い世代が利用でき、資金用途も比較的自由です。
まずはその基本的な仕組みを押さえましょう。

不動産担保ローンとはどんなローンか?

不動産担保ローンとは、所有する土地・建物などの不動産を担保として設定し、その評価額をもとに融資を受けるローンです。
担保があることで、金融機関の貸し倒れリスクが下がります。
そのため、無担保のカードローンよりも低金利・高額の融資が期待できます。

返済方法は元利均等返済が一般的です。
返済が完了すれば抵当権は抹消され、担保はすべて解除されます。

無担保ローン・カードローンとの違いとは?

主な違いを以下の表で整理します。

項目 不動産担保ローン カードローン(無担保)
担保 不動産(家・土地) なし
金利の目安 年1〜5%程度 年3〜18%程度
借入限度額 数百万〜数億円 〜500万円程度
返済期間 最長35年程度 最長10年程度
審査スピード 数週間〜1ヶ月程度 最短即日〜数日

まとまった金額を長期間・低金利で借りたい場合は、不動産担保ローンが有利です。
一方で、少額・急ぎの場合はカードローンの方が現実的です。

資金使途に制限はある?何に使えるのか?

不動産担保ローンは、原則として使途自由です。
住宅ローンとは異なり、使い道を申告せずに借りられる金融機関もあります。

実際によく使われる目的は以下のとおりです。

  • 事業資金・運転資金
  • 大規模リフォーム・修繕費
  • 教育資金・医療費
  • 複数の借入のおまとめ(借換)
  • 相続税・贈与税の納税資金

ただし、一部の金融機関では投資目的や投機的な用途は不可としているケースもあります。
事前に確認しておくと安心です。

リバースモーゲージの仕組みとは?

リバースモーゲージは、不動産担保ローンとは根本的に考え方が違います。
主に老後の資金調達手段として活用される仕組みで、「元本を生前は返さない」という点が最大の特徴です。

リバースモーゲージとはどんな制度か?

リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受け、毎月の返済は利息のみにとどめ、元本は契約者が死亡した後に自宅を売却して返済する仕組みです。
「逆(リバース)に返済する住宅ローン(モーゲージ)」というイメージです。

毎月の支払いが利息だけになるため、年金収入しかないシニア世代でも利用しやすい構造になっています。
老後の生活資金・介護費用・住宅のリフォーム費用などに活用されています。

対象者・対象物件はどのように決まるのか?

リバースモーゲージには利用条件があります。
代表的な条件は以下のとおりです。

  • 年齢:55歳以上または60歳以上(金融機関により異なる)
  • 物件:一戸建て・土地付き物件が基本(マンションは取り扱いが限定的)
  • 名義:単独名義、または配偶者との共有名義まで(複数人の共有名義は難しい場合がある)
  • 居住要件:申込者本人が実際に住んでいること

マンションは対象外になるケースが多く、一戸建て向きの商品です。
地方の物件は評価額が低いため、融資枠も少なくなる傾向があります。

不動産担保ローンとの違いはどこにあるのか?

項目 不動産担保ローン リバースモーゲージ
対象年齢 制限なし(幅広い) 主に55〜60歳以上
月々の返済 元本+利息 利息のみ
元本の返済 毎月返済 死亡後に自宅売却で返済
向いている目的 事業・リフォーム・おまとめなど 老後の生活資金

元本を生前に返さない代わりに、死亡後は自宅が売却されるという点がリバースモーゲージの特徴です。
子どもに自宅を残したいと考えている場合は、慎重な判断が必要です。

リースバックの仕組みとは?

リースバックは担保ローンとは異なり、自宅を「売る」手段です。
ただし、売却後もそのまま住み続けられるため、「家を手放したくない」という心理的な抵抗感が少ない方法でもあります。

リースバックとはどんな方法か?

リースバックとは、自宅をリースバック業者に売却し、その後は賃貸として同じ家に住み続ける仕組みです。
売却金を一括で受け取れるため、まとまった資金を手にしたい場合に使われます。

「売却」であるため、返済義務はありません。
その代わり、毎月の家賃(賃料)が発生します。

所有権を手放すとはどういう意味か?

リースバックを利用すると、自宅の所有権は業者に移ります。
つまり、自宅はもう「自分の家」ではなくなります。
固定資産税の支払い義務は業者に移る一方、自分は毎月家賃を払う「借りている立場」になります。

また、賃貸契約の更新ができなかった場合は退去が必要になるリスクもあります。
契約内容をしっかり確認することが不可欠です。

不動産担保ローン・リバースモーゲージとの比較とは?

項目 不動産担保ローン リバースモーゲージ リースバック
所有権 維持される 維持される(死後に売却) 業者に移る
資金受取 融資(返済義務あり) 融資(利息のみ返済) 売却金(返済なし)
毎月の負担 元本+利息 利息のみ 家賃
向いている人 幅広い世代 主にシニア 売却を厭わない方

3つの方法はそれぞれ「借りる」「利息のみ返す」「売って住む」という根本的な違いがあります。
どれが正解かは、年齢・目的・家族構成によって変わります。

家を担保にするとき、いくら借りられるのか?

「結局いくら借りられるのか」は最も気になる部分です。
借入可能額は「家の評価額」によって決まりますが、ただ評価額の全額が借りられるわけではありません。
計算の仕組みを理解しておくことが大切です。

借入可能額はどうやって決まるのか?

不動産担保ローンの借入可能額は、担保不動産の評価額に「掛け目(かけめ)」を乗じた金額が上限の目安となります。
掛け目とは、評価額に対して実際に融資する割合のことです。

一般的な掛け目は評価額の70〜80%です。
評価額が3,000万円の戸建て住宅であれば、融資可能額の目安は2,100万〜2,400万円程度になります。

評価額・掛け目・担保余力の計算方法とは?

不動産の評価には、主に以下の指標が使われます。

  • 路線価:国税庁が毎年公表する土地の評価基準
  • 固定資産税評価額:市区町村が算定する評価額(時価の約70%が目安)
  • 積算評価:土地+建物の再建築費用から経年劣化を差し引いた評価
  • 収益評価:賃貸物件の場合に収益力を元に算出

金融機関によって採用する評価方法が異なるため、同じ物件でも評価額が変わることがあります。
複数の金融機関に相談する理由はここにあります。

住宅ローン残債がある場合の借入可能額はどうなるのか?

住宅ローンが残っている場合でも、不動産担保ローンを借りられる可能性はあります。
ただし、借入可能額は「担保余力」の範囲内に限られます。

担保余力は以下の式で計算します。

  • 担保余力 = 不動産評価額 × 掛け目 ー 住宅ローン残債

たとえば、評価額3,000万円・掛け目80%・住宅ローン残債1,000万円の場合、担保余力は以下のとおりです。

  • 3,000万円 × 80% ー 1,000万円 = 1,400万円

この1,400万円が追加で借りられる上限の目安です。
住宅ローン残債が多いほど担保余力は減るため、場合によっては融資が難しくなります。

審査基準とはどのようなものか?

「申し込んでも通るかどうか」は、大きく2つの観点から審査されます。
申込者本人に関する条件と、担保不動産に関する条件です。
どちらも事前に確認しておくと、申し込みの見通しが立てやすくなります。

申込者本人に関する審査基準とは?

金融機関が申込者本人を審査するポイントは以下のとおりです。

  • 年収・収入の安定性:給与収入・事業収入の安定度
  • 勤続年数:正社員で長期間在職しているほど有利
  • 信用情報:過去の延滞・債務整理・破産などの記録
  • 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合(一般的に35〜40%以内が目安)

信用情報に傷がある場合は、銀行系の審査に通りにくくなります。
ノンバンク系の方が審査が柔軟なケースがあります。

担保不動産に関する審査基準とは?

不動産側の審査では、主に以下が確認されます。

  • 立地・エリア:都市部ほど評価が高い
  • 築年数・構造:木造は耐用年数が短く評価が低くなる場合がある
  • 権利関係:共有名義・抵当権の設定状況
  • 再建築可否:建築基準法上の再建築が可能かどうか
  • 借地権の有無:底地が他人所有の場合は評価が下がる

再建築不可物件・底地・借地権付き物件は、取り扱い不可の金融機関も多いです。
ノンバンクでは対応しているケースもあるため、諦める前に相談してみましょう。

審査が通りにくいケースとはどのような場合か?

以下のケースは審査が難しくなる傾向があります。

条件 内容
信用情報に問題あり 過去の延滞・債務整理・自己破産など
収入が不安定 フリーランス・アルバイト・無職など
住宅ローン残債が多い 担保余力がほぼゼロになる場合
共有名義で全員の同意が取れない 共有者の一部が拒否している場合
物件が郊外・過疎地 不動産評価が低く担保価値が不十分

1つの金融機関で断られても、他の機関で通ることもあります。
条件を変えずに複数社に相談することが現実的な対処です。

どこで借りられるのか?金融機関の選び方とは?

家を担保にお金を借りられる金融機関は1種類ではありません。
銀行系・ノンバンク系・信用金庫など、それぞれ特徴が異なります。
自分の状況に合った相談先を選ぶことが、審査通過への近道です。

銀行・信用金庫で借りる場合の特徴とは?

銀行・信用金庫は金利が低い反面、審査が厳格です。

  • 金利:年1〜3%台(変動・固定)
  • 審査期間:数週間〜1ヶ月程度
  • 審査基準:収入の安定性・信用情報を厳しく確認
  • 向いている人:安定した収入がある給与所得者・信用情報に問題がない方

できるだけ低金利で長期的に借りたい場合は、銀行系が第一候補です。
ただし、融資まで時間がかかるため「急ぎの資金」には向きません。

ノンバンクで借りる場合の特徴とは?

ノンバンクは審査の柔軟性が高く、銀行で断られた場合の選択肢になります。

  • 金利:年3〜8%程度(銀行より高め)
  • 審査期間:最短数日〜2週間程度
  • 審査基準:物件評価を重視し、個人属性は柔軟に判断
  • 向いている人:自営業・フリーランス・急ぎの方・再建築不可物件の方

審査のスピードと柔軟性はノンバンクが優れていますが、金利が高い点は要注意です。
総返済額を計算した上で利用判断をしましょう。

自分に合った金融機関を選ぶポイントとは?

金融機関選びの判断基準は以下のとおりです。

状況 おすすめの選択肢
収入安定・信用情報クリア 銀行・信用金庫(低金利重視)
急ぎの資金調達 ノンバンク(審査スピード重視)
銀行審査に落ちた ノンバンク(審査基準が柔軟)
物件が特殊(再建築不可等) ノンバンク・専門の不動産担保業者
高齢・老後資金目的 リバースモーゲージ対応銀行

1社の回答だけで諦めないことが重要です。
金融機関によって評価基準が異なるため、複数社への相談が基本的なアプローチです。

申し込みから融資までの流れとは?

「実際にどう進めるのか」を知っておくと、準備がスムーズになります。
書類の準備から融資実行まで、一連の流れを順番に確認しましょう。

申し込みに必要な書類は何か?

必要書類は金融機関によって異なりますが、一般的に以下が求められます。

  • 本人確認書類:運転免許証・マイナンバーカードなど
  • 収入証明:源泉徴収票・確定申告書(直近2〜3年分)
  • 不動産関係書類:登記簿謄本・固定資産税評価証明書・公図・建物図面
  • 住宅ローン残高証明書(残債がある場合)
  • 印鑑登録証明書

書類が揃っていないと審査が止まるため、早めに準備しておくことが重要です。
登記簿謄本は法務局またはオンラインで取得できます。

審査・不動産鑑定の流れはどうなっているのか?

一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 金融機関への事前相談・仮審査申し込み
  2. 本審査の申し込み・書類提出
  3. 不動産鑑定(担保となる物件を金融機関が評価)
  4. 審査結果の通知・融資条件の提示
  5. 契約・抵当権設定登記
  6. 融資実行

不動産鑑定が入る分、時間がかかるのが不動産担保ローンの特徴です。
急ぎの場合は、仮審査の回答スピードが速い金融機関を選ぶのが現実的です。

融資実行まで何日かかるのか?

金融機関の種類 目安の審査・融資期間
銀行・信用金庫 3週間〜1ヶ月程度
ノンバンク 最短1週間〜2週間程度

急いでいる場合は、最初から「いつまでに融資が必要か」を相談時に伝えることが大切です。
期日が決まっている場合(税金の納付期限・事業の支払いなど)は、早めに動き出しましょう。

家を担保にするメリットとは?

不動産担保ローンには、他の借入方法にはないメリットがあります。
無担保ローンと比較したときの優位性を整理します。

低金利・高額融資が期待できる理由とは?

不動産という確実性の高い担保があるため、金融機関は貸し倒れリスクを低く評価できます。
その結果、カードローンの金利(年3〜18%程度)と比べて、不動産担保ローンは年1〜5%程度と大幅に低くなるケースがあります。

また、借入限度額も大きく、数百万〜数億円規模まで対応しています。
「まとまった資金が必要だが、カードローンでは金額が足りない」という場合に適しています。

返済期間を長く設定できるメリットとは?

不動産担保ローンは、最長35年程度の長期返済が可能です。
返済期間が長くなるほど、月々の返済額を小さくできます。

1,000万円を年5%で借りた場合の月額返済額の目安は以下のとおりです。

返済期間 月々の返済額(目安)
5年 約18万8,000円
10年 約10万6,000円
15年 約7万9,000円
20年 約6万6,000円

返済期間が長いほど総返済額は増えますが、毎月の資金繰りは楽になります。
事業資金など「毎月の収支に余裕を持たせたい」場合には有効な選択です。

資金使途が自由である点のメリットとは?

住宅ローンは「住居の購入・建築」という用途に限定されています。
一方、不動産担保ローンは原則として使途自由です。

教育資金・医療費・リフォーム・借換・事業運転資金など、さまざまな目的に使えます。
用途を細かく説明せずに借りられる点が、資金調達の柔軟性につながります。

家を担保にするリスク・デメリットとは?

メリットだけを見て飛びつくのは危険です。
家を担保にする以上、返済が滞った場合の結果は深刻になりえます。
リスクを正しく理解した上で判断することが不可欠です。

返済できなくなったら家はどうなるのか?

返済が長期間滞った場合、金融機関は担保不動産を差し押さえ、競売(けいばい)にかけます。
競売になると、市場価格よりも低い金額で売却されることが一般的です。
残った債務がある場合は、引き続き返済義務が残ります。

「競売を避けたい」という場合は、早めに金融機関に相談することが最善策です。
任意売却という方法で、競売前に市場価格に近い価格で売却できる場合があります。

金利・諸費用がかかることのデメリットとは?

不動産担保ローンは低金利ですが、以下の諸費用がかかります。

  • 事務手数料:融資額の1〜3%程度
  • 登記費用:抵当権設定登記(司法書士費用含む)
  • 不動産鑑定費用:数万円程度
  • 印紙税:契約書に貼付

諸費用を含めた実質的な借入コストを計算してから、他のローンと比較することが重要です。
金利だけで判断すると、諸費用込みの総額で損をするケースがあります。

共有名義・相続への影響とはどのようなものか?

不動産が共有名義の場合、共有名義人全員の同意がなければ担保設定ができません。
配偶者・兄弟・親などとの共有名義では、全員の同意と署名が必要になります。

また、担保設定したまま契約者が亡くなった場合、借入金と担保の両方が相続人に引き継がれます。
「知らないうちに家に抵当権がついていた」とならないよう、家族への事前説明が欠かせません。

後悔しないために注意すべき点とは?

不動産担保ローンを使って後悔する原因のほとんどは「事前の確認不足」です。
申し込みの前に確認しておくべきポイントを整理します。

無理のない返済計画をどう立てるのか?

返済計画を立てる際は、以下を必ず確認しましょう。

  • 返済負担率:月収の35〜40%以内に収まるか
  • 変動金利の場合の利上げシナリオ:金利が上昇した場合の月額返済額
  • 収入が減少した場合のシミュレーション:休業・退職・事業縮小時の対応

「今は払える」ではなく「将来も払い続けられるか」を基準にすることが大切です。
返済期間が長い分、生活環境の変化も考慮に入れましょう。

家族への事前共有が必要な理由とは?

担保設定は配偶者・子どもの生活にも影響します。
特に以下のケースは事前に家族で話し合っておくことが不可欠です。

  • 共有名義がある場合:同意が必要なため、事前の合意が前提
  • 将来の相続:担保設定・残債の存在を相続人が把握しておく必要がある
  • 同居家族がいる場合:競売になった際の居住への影響

家族への説明を後回しにすると、返済が苦しくなったときに大きなトラブルになりやすいです。
借りる前に状況を共有しておきましょう。

悪質業者を見分けるポイントとは?

不動産担保融資には、悪質業者が紛れ込んでいるケースがあります。
以下の点に注意してください。

  • 貸金業の登録がない業者:金融庁の貸金業者登録検索で必ず確認する
  • 「担保があれば誰でも即日融資」という過度な広告:審査なしに融資することはあり得ない
  • 公正証書による強制執行条項が含まれる契約書:弁護士に確認してから署名する
  • 家の名義変更を伴う「ファクタリング」類似の契約:売買を偽装した脱法的な高利貸しに注意

金融庁の「貸金業者登録検索」で業者の登録を確認することが最初のステップです。
登録がない業者との取引は法的な保護を受けられません。

FAQ:家を担保にお金を借りるときのよくある疑問

ここでは、特に多い疑問をまとめて解説します。

住宅ローンが残っていても不動産担保ローンは借りられる?

借りられる可能性はあります。
ただし、借入可能額は「担保余力(評価額×掛け目-住宅ローン残債)」の範囲内に限られます。

住宅ローンの残債が多いほど担保余力が減るため、融資額が少なくなります。
残債が評価額を上回っている「オーバーローン状態」では、追加融資は困難です。

築年数が古い家でも担保にできる?

築年数が古いほど建物の評価額は低くなりますが、土地の評価額が高ければ担保として認められることがあります。
特に都市部の土地は建物の評価が0でも土地価値だけで審査が通るケースがあります。

築40年以上の木造物件は建物評価がほぼゼロになることも多いです。
土地の評価額を確認してから相談するのが現実的です。

共有名義の家を担保にするにはどうすればいい?

共有名義の不動産を担保にする場合、共有者全員の同意と署名が原則として必要です。
配偶者や親族と共有している場合は、全員に状況を説明した上で同意を得ることが先決です。

共有者が同意しない場合は、担保設定ができません。
一部持分のみを担保にする商品を提供しているノンバンクもありますが、条件は厳しくなります。

審査に落ちた場合、他に方法はある?

1社で審査に落ちても、他の金融機関に相談することは有効です。
評価基準が異なるため、結果が変わることがあります。

それでも難しい場合の選択肢としては以下が考えられます。

  • ノンバンクへの切り替え(審査が柔軟)
  • リースバック(売却という形で資金調達)
  • 公的な融資制度の活用(日本政策金融公庫の事業資金など)

闇金・無登録業者への相談は絶対に避けてください。

不動産担保ローンを借りている間に家を売ることはできる?

売却自体は可能ですが、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消してから引き渡しを行う手続きが必要です。
「担保がついたまま売る」ことは原則できません。

売却を検討している場合は、事前に金融機関に相談し、一括返済の条件を確認しておきましょう。
繰り上げ返済に手数料が発生する場合もあります。

まとめ

家を担保にお金を借りる方法は、不動産担保ローン・リバースモーゲージ・リースバックの3つが主な選択肢です。
それぞれ仕組みと向いている人の条件が異なるため、「自分がどの目的で・いくら・いつまでに必要か」を整理することが出発点になります。

この記事では触れませんでしたが、不動産担保ローンを利用した後に「金利変動リスクへの対策」として固定金利への切り替えを検討することや、複数の借入を1本にまとめる「おまとめローン」としての活用も選択肢の1つです。
また、相続が発生した場合に担保不動産がどう扱われるかについては、弁護士や司法書士への相談が確実な情報を得る手段です。
まずは金融機関に仮審査を申し込み、担保余力と借入条件を確認することが最初の一歩です。

参考文献

  • 「家を担保にお金を借りる3つの方法を解説!メリット・デメリットも紹介」 – 東京スター銀行
  • 「土地や家を担保にお金を借りるには?不動産担保ローンのメリット・デメリット」 – りそなグループ
  • 「自宅を担保にした不動産担保ローンの利用は可能?個人事業主や法人がおさえておきたい注意点を解説」 – AGビジネスサポート
  • 「家を担保にお金を借りるには?不動産担保ローンの注意点や審査基準を解説」 – 大手町フィナンシャル
  • 「住宅ローン返済中でも不動産担保ローンは使える?借り入れ可能な人の条件」 – SBIエステートファイナンス
  • 「家を担保にお金を借りる方法は?メリット・デメリットやリスクを解説」 – NGU コラム